2019年10月16日水曜日

10月10(木)4年生社会科見学 「信玄堤・杉浦醫院」


10月10日(木)
4年生は社会科の学習の一環として,信玄堤に関連する史跡と杉浦醫院へ見学に行きました。
午前中は,信玄堤に関わる史跡を見学しました。



事前学習でもお世話になった講師の保阪さんも見学に同行していただき,実際に地形などを見ながら詳しく教えていただきました。

かつて釜無川と御勅使川の合流地点では頻繁に氾濫が起こり,昭和町近辺の地域は洪水の被害に悩まされていました。武田信玄は川の流れを変え,2つの川の合流地点を変えるという取り組みを行いました。




まず,「石積出」という堤防を見学しました。



石積出は,全部で5つの堤防から成り立っていて,御勅使川の急な流れを穏やかにしていたそうです。
石の種類や大きさが違い,長年にわたって壊れては直しを繰り返した様子が分かります。
ここに見えているのは3mほどですが,実際にはこの下に約10mもの石が積み重なっているそうです。




3番堤では,ほんとうの石積出の高さが体験できました。実際に登ったり下りたりしてみましたが,子どもたちは,予想以上の高さに驚いていました。
これは,長年の川の流れによって土砂が堆積した結果で,今は3mほどしか見えないと教えてもらいました。積もった土砂の高さからも,長い歴史を感じます。




次に「将棋頭」を見学しました。


これは,急な流れの御勅使川を2つに分けるための2つの堤防で,
将棋の駒の頭の形に似ていることから名づけられました。


将棋の駒の頭はとがっていますが,将棋頭の堤防の間は少し空いていて,そこから流れの穏やかな水を田んぼに流しています。




そして,信玄堤の本堤を見学しました。




川には木でできた「聖牛」というものが置かれています。
川のごみを取ったり,川の流れを穏やかにしたりする働きがあります。





最後に,かすみ堤公園の見学をしました。



自分たちの住んでいる地域にあり,身近な公園にも信玄堤に関連する史跡があります。
かすみ堤には,流れてしまった水を元の流れに戻す役割があるそうです。
そのため,川に対して逆さの八の字になっています。

教科書の学習だけではなく,実際に見ることで子どもたちもより身近に感じることができたようです。





午後は,風土伝承館 杉浦醫院に見学に行きました。
ここは,「地方病(日本住血吸虫病)」を解決するために尽力した,杉浦健造・三郎親子の研究の功績を知ることができる施設です。



最初に,館長さんに日本住血吸虫病について詳しく話を聞きました。
武田信玄の時代にはすでに地方病に悩まされていたそうです。
昔はかかってしまえば治らずに死んでしまう,恐ろしい病気でした。
昭和町の周辺では,たくさんの方が地方病にかかってしまっていました。
杉浦醫院では,そんな病気について研究や治療をしていました。





当時のままの病室の様子,地方病に苦しむ人の写真や当時の新聞記事などを見て,地方病の怖さや杉浦親子の努力を知ることができました。





また,杉浦醫院ではホタルを飼育していました。昭和町内の小中学校の校章にかいてある「ホタル」も,地方病との関わりがありました。ホタルの幼虫のえさである貝(宮入貝)に,地方病の原因が住み着いていたことが研究の結果で分かりました。昔の人は,病気の原因であるこの貝を殺してしまいました。その結果,以前はたくさんいたホタルがいなくなってしまいました。杉浦醫院では,ホタルを呼び戻すために,幼虫を飼育し,敷地内の池で毎年観察会を行っているそうです。




今回の社会科見学では,とてもたくさんのことを学ぶことができました。
見学での発見を今後の社会科の学習へ生かしたいと思います。