2021年1月30日土曜日

大人の私たちも「子どもの話をしっかりと聞く」

ここ2日ほど,blogを記せなかったのでもう1本,お付き合いください。御存知の通り,本校の校長室はちょっと奥まっていますが,チョコ チョコ小さなお客様が訪れてくれます。「校長先生,ボクのお腹,触ってみてぇ~。今日の給食,お代わりしたんだよ」といった報告から, 「あ・あぁ~,ここ静かだな。」といった訪問者まで。そんな,子ども達と時間を過ごす中で,近頃特に思うことがあります。それは,子ども 達は(実は,私を含む大人達も),自分の話をしっかりと聞いてもらいたい」という強い欲求を持っているのではないかと言うことです。 大人の欲求は,どちらかと言えば,「私はこんなに大変なんだ」とか,そんな中で「私はこんなに頑張っている」といった理解や承認が多いかと 思います。一方,子どもの話は,何気ない気づきであったり,感動や怒りであったりと共感が多いと思います。時には,パソコンに向かいながら, 報告書の文言を絞り出しているタイミングもありますが,「何々しながら」だと子どもは許してくれません。ですから,手を止め,視線を合わせる ようにしています。ゆとりがある時は,屈み込んで子どもの目線の高さに自分の目を合わせるようにします。昨日の3年生の校外学習は,「校長先 生,来て来て」,校長先生「見て見て」の嵐でした。挙げ句の果てに,「このグミ,何味だと思う?」の問いかけも・・・。昨日は,引率が仕事で したから,いつも以上に丁寧に話を聞きました。そうしたら・・・私の手を取り,池の畔まで私を案内をしてくれる子どもも出現!保護者のように 若くないのに・・・。ついつい,疲れや,忙しさにかまけて,子ども達の話に耳を傾けなくなってしまいがちですが,「子ども達の話をしっかりと 聞く」。教育の原点だと改めて,教えられました。なるほどと思われた皆様,「今日も?」,「今日は?」,「今日こそは?」,子ども達の話を しっかりと聞いてあげてください。下の写真は,背伸びをして質問を投げかける子ども達。

「人の話をしっかりと聞く」・・・新たな伝統に!

10月13日(火)のblogは,修学旅行2日目の報告として,6年生がガイドさんの話を「一言たりとも漏らすまじ」と聞き取る姿を,探検バッグ を抱え込みながらメモする姿の写真と共にお伝えしました。下の写真を御覧下さい。これは昨日,校外学習として訪れた豊富郷土資料館で,説明を 集中して聞く子ども達の様子です。何年生だと思われますか?本校の3年生です。もう一度申し上げますが,高学年では無く,3年生です!写真を よく見てください。1枚目は3年1組石原学級の子ども達ですが,座り込んでいる子は疲れて座っているのではありません。座って,必死にメモを とっています。2枚目は3年2組大村学級の子ども達です。皆,話す人の方を向いています。そして,になより,聞いている子ども達の肩口から, 集中して話を聞いているかオーラが出ているのがお分かりになりますか?その結果が,3枚目の,帰校後のまとめに繋がります(3-3田淵さん, 作)。これだけ勉強してくれると保護者の皆様も,朝早く起きてお弁当を作ったり,好物をいっぱい入れたメニューを考えたりする「かい」が あったというもの。「人の話をしっかりと聞くことができる」。6年生が示してくれたお手本を,本校の新たなる伝統にしたいと思います。 また,その貴重な芽が,早くも3年生に引き継がれていることを,校長としてとても嬉しく思いました。赤白帽子の上からではありますが,多くの 子ども達の頭の上にそっと手を添え,頭をなでたことは言うまでもありません。いい子達だ!!!

2021年1月27日水曜日

子どもを育て,子どもに育てられる

本日,中休み,地震を想定した避難訓練を実施しました。子ども達には,いつ実施するかを伝えていなかったのですが,混乱無く実施することが できました。あまりにスムーズにできたため,想定していた時間よりずっと早く終了することができました。私は講評で,思わず「合格!」と叫 んでしまいました。保護者の皆様,学校が落ち着いている証拠です。嬉しい限りです。 その一方で,564名のお子様をお預かりし,22の学級があれば,細々したことは当然あります。昨日,外のトイレが「グチャグチャ」にされる という出来事がありました。トイレの中で遊び,そのままという状況です。「強者どもが,夢の跡」とでも言いましょうか。当然,誰が遊び, そのままにした?という話になります。状況から,高学年や,また低学年が遊んだという様子ではありません。明らかに中学年のなせる技といった 観でした。案の定,放課後,中学年のとあるクラスの子ども6名が,担任に連れられて校長室にやってきました。子らは,「私たちはトイレで遊ん だが,後片付けはした」の一点張り。私は子ども達を帰した後,担任に「やってしまった者を探し出すということはせず,ただし一人一人から丁寧 にお話しを聞いて下さい。他学年の子ども達の話によると,その子達との情報もあるので。叱らず,ただし諭して下さい。そして,一緒に片付けて あげて下さい。」と伝えました。本日,給食の時間。その若手教師が「校長先生,嬉しい話があります」といって,私を訪ねてきました。聞けば子 ども達が「私たちがしたことで,授業が潰れたので,皆に謝りたい」と申し出てきたとのこと。教師の思いが子ども達の心にしみ,そして子ども達 の成長を促したのだと思います。そして,その子ども達から,若手教師はまた,教育とはなんぞやということを教えられたのだと思います。下の 写真は避難訓練の様子と爆発的に学習する4-3と6-2の子ども達。

2021年1月26日火曜日

教養 & 暗記

酒折の宮(私は,宮の入り口にある甲府東高校の4期生)は,連歌発祥の地として,その世界では有名な場所です。言い伝えによると,この地を 訪れた倭建命(やまとたけるのみこと)が,「新治(にいばり) 筑波を過ぎて 幾夜か寝つる」と問いかけたところ,かがり火を焚(た)いてい た老人が,「かがなべて 夜には九夜 日には十日を」と応えたとされています。あくまでも伝説に過ぎません。身分や身なりに関係ない,人のもつ教養 を考えさせてくれる逸話です。今朝,河西C34班の子ども達と,お正月での家族との過ごし方が話題になりました。花札の他,百人一首もする という話になり,「うっそー」と私が驚いた表情をしたところ,4年生の継美さんが妹で1年生の栞里さんに,やおら「栞里ィ~,あしびきの の 続き,いってごらん」と振るではありませんか!そとたら,1年の栞里さんも,最初は照れていたのに「あしびきの山鳥(やまどり)の尾の しだり尾の 長々し夜をひとりかも寝む」とそらんずるではありませんか!!!いやはや,参りました。このことを,1年の生山先生にお話し したところ,「多くの子は40首くらい覚えているのではないか」とのこと。頭の柔らかい時に覚えたことは,たぶん一生忘れないと思います。 そしてそれは,人が生きるうえでの潤滑油=教養になると思います。かの老人のように・・・。あと,30年程経って1年生が中学生の子どもを持つ 親になったとき,「ママも知っているよ」と百人一首をそらんじられたら・・・。47都道府県をしてもしかり,歴史の年号をしてもしかり, ものを覚え,教養として身につける。大切なことだと思います。来年度以降の常永小教育の特色をいかに描いていくか。日本を代表する文化の一つ である『小倉百人一首』。皆でおぼえてみるのも意義有ることかと考えさせられる一瞬でした。常永小の子は,皆,小倉百人一首をそらんじられる。 素敵です。下の写真は,生山学級や5年生が使っている「5色百人一首」。

2021年1月25日月曜日

新年度に向けて,着々と・・・

各地区におかれましては,本日の上河東2区を皮切りに,来年度に向けての話し合いを行っていただくこととなります。できる限りの感染予防対策 ,寒さ対策を行っていただき,子ども達のためによろしくお願い致します。 さて,子ども達の世界でも,新年度に向けての動きが出てきました。本日の中休みには,新児童会本部主催による代表委員会が行われました。議題 は「6年生を送る会」についてでした。週末,「雪がたいしたことなくてよかった」と家族と会話をしながら,こたつで,町内のとある方より頂戴した 随想を読んでいました。写真家でもあるその方の一説に,「年に1度は,雪景色を楽しみたい・・・」と趣深い一節が記してありました。雪=迷惑 としか捉えられていなかった自分の感性を恥じつつ,6年生の国語,小学校生活最後の教材,谷川俊太郎作の「生きる」という詩の一節を思い出しました。 ,「いま生きているということ それはアルプス すべての美しいものに出会うということ」。子ども達にも,自然の美しさを愛でる感性を。下は, 河西地区から望む雪景色の櫛形山と南アルプス。

2021年1月21日木曜日

常永小あれこれ

本校は昨日,5・6年生を対象としたスキー教室を開催しました。コロナ禍にあって,実施については色々と悩みましたが,3蜜を避ける観点から 出発時刻をずらす(昼食を2学年合同では無く,別々にとるため)等の工夫をこらして,実施にこぎつけました。東京方面の学校の来場が無かっ たためゲレンデは空いていたうえに,昼食も1人宛てにセットする等,細やかに対応して下さったため,不安を抱えること無く実施できました。 帰校後に子ども達に感想を聞いたところ,どの子も異口同音に「楽しかった。また行きたい」と言っていました。天候にも恵まれ,よいスキー教室が 実施できました。
本日,中休みに,3学期の学級役員認証式を行いました。全校で掲げる「e-学校」を目指して,リーダーシップを発揮してほしいと思います。

教科書に書いてないことも、とても大事❗️

前号で,小学校の学習はその後の学習の「基礎・基本」故に,とても大事だと言うことをお伝えしました。今日は,教科書には書いては無いけれど ,人生の「基礎・基本」として大事なことを小学校では学ぶ,というお話しをしたいと思います。 過日,とある学年の男児が,担任の先生に伴われて校長室にやってきました。話によると,友達と立ち話をしながら,何気なく壁を蹴っていたとこ ろ,ついつい話に夢中になるあまり,壁に穴を空けてしまったということでした。わるげが無い中での思わぬ展開に,本人自身がビックリし,明ら かに動揺していました。そして,校長先生に報告と「謝る」ということで,緊張をしていました。高学年男児だったので,担任は自分で報告するよう に促しました。男児は私に,一生懸命,説明を行いました。私は,じっと子どもの話を聞いていました。聞きながら,叱る気持ちは全く 起こりませんでした。むしろ,大人になる上で大事なこと,教科書には書いては無いけれどとても大事なことを,この機会に学習してほしいと 思いました。人は,わるげは無くても今回のようにモノを壊してしまったり,場合によっては人を傷つけてしまうことがある。そういった時には つらいけどそのことから逃げず,勇気をもって謝ること。逃げず,素直に謝れば大抵のことは許してもらえると言うこと。「校長先生に謝りに来る ということはとても勇気のいることだったと思うけど,よく謝りに来ましたね」。(叱るどころか,褒めてしまいました。)男児のマスクの縁が, 涙で濡れていました。人を育てるというのは,教科書指導だけでは無く,ほんとうに大事なことが色々とあると思います。