2022年1月8日土曜日
ささやかな伝統・意味ある伝統
昨日の始業式の模様を放映した「スゴろく」。御覧頂けましたか。あの中に,本校が開校以来,20年間大事にしている「ささやかながら,されど
意味ある伝統」がしっかりと映されていました。それをお伝えさせて頂きます。写真(テレビ映像から転写)を御覧ください。これは2年2組の
石川さん,4年2組の萩原さん,6年1組の三浦さんの3人が,始業にあたり,児童代表として「冬休みの様子と3学期に頑張りたいこと」を述
べる場面です。よく見る場面ですが,3人は原稿を持っていません。読んでいません。そう,「この時」までに原稿を丸暗記し,「本番」に望ん
でいます。これが,本校の「ささやかながら,されど意味ある伝統」なのです。子どもの学習を取り巻く環境も激変し,一人1台のタブレット型
端末が貸与され,漢字も計算も,指先の操作一つで瞬時に正解が表れる時代となりました。さらに,「考える」こと,「表現する」ことに重きが置
かれる教育思潮の中で,どこか「覚える」という行為が,片隅に追いやられた感がなきにしもあらずです。しかし,人生の基礎・基本の習得を目
指す初等教育段階にあっては,「覚える」という学習は,脳を鍛えると言う点においても重要かつ必要な学習と,常永小学校は考えています。
実は,多くの学校においては,児童発表の場面では,子どもに原稿(作文)を読ませるのが一般的です。児童,担任,そして保護者にも負担が少
ないからです。(場合によっては,見栄えを気にして,1度限りの原稿を,わざわざ色画用紙に貼らせる学校もあります。)常永小学校は,あえて
それをしません。「覚え」させます。覚える当事者にとっても大変,事前指導・直前指導を行う担任も大変,さらに子どもの練習に付き合う
保護者も大変。されど,常永小学校は,この一連の営みを「伝統」として大切に守ってきました。「覚える」という学び方に価値を置き,言語
活動を重視したいからです。また,教育という営みは,保護者・地域の方々の御理解と御協力を頂かねばならない場面が多々ありますが,今回の
ように手間暇が掛かろうとも,細かな配慮をしながら推し進める営みと考えています。常永小学校は今後とも,手間暇掛かる教育を大切にしていき
たいと思います。一方,このことに気付いたUTYの雨宮さん(カメラの脇に立っていた方)が「子どもさん達,すごいですね。また,ただでさえ
緊張しているのに,テレビカメラが入ったことで,一層,緊張させてしまいましたね。すみませんでした。」とおっしゃってくださいました。
まさしく,そんな“超”緊張場面を,見事に乗り切った3名に,最大限の賞賛をしたいと思います。